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食事ではじめる妊活|妊娠を希望する女性が摂るべき栄養素

小堀善友先生

この記事の監修医師

小堀 善友先生

獨協医科大学埼玉医療センター リプロダクションセンター副センター長・准教授

日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本性機能学会専門医、日本泌尿器内視鏡学会認定医。

専門分野は男性不妊症・性機能障害・性感染症で、男性不妊症や前立腺肥大症、前立腺癌の治療及び手術に多数携わっているほか、不妊症治療への啓発等にも積極的に取り組んでいる。

「妊活をはじめたけど何をすれば良いの?」

そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。妊活をはじめたご夫婦がまず最初にすべきことは、 医療機関で検査をし「お二人の身体が妊娠しやすい状態かどうか」をチェックすることです。(妊活の検査については次の記事をご参照ください)

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とはいえ、まずは普段の生活の中で簡単にできることから妊活をスタートしたい、という方も多いですよね。そこで今回は、 身近な食生活から妊活をはじめる方法をお伝えします。妊活中の女性や妊娠初期の女性が摂取すべき栄養素や食べ物、また逆に少し注意が必要な栄養素などについて解説していきます。

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妊活中に気をつけたい食事バランス

妊活中に気をつけたい食事バランス

妊娠への近道は、健康的なからだづくりと言っても過言ではありません。妊活をはじめた女性は、普段以上に食生活に気をつけるようにしましょう。

妊活の基本はバランスの良い食生活

妊活の基本はバランスの良い食生活

妊活の基本は、バランスの良い食生活を心がけることです。

食事バランスの乱れはホルモンバランスを崩し、生理不順や排卵障害の原因になってしまう可能性があります。

バランスの良い食事とは、適切なエネルギーと栄養素が含まれている食事のことで、主食・主菜・副菜を揃えることがポイントです。エネルギーや栄養素をいつも細かく調べるのは大変なので、まずは「赤・黄・青・緑・黒」5食がバランス良く取り入れることを意識すると良いでしょう。

・主食(1食に1品):ご飯、パン、麺類など、主にエネルギーになる料理。

・主菜(1食に1〜2品):肉、魚、大豆、卵などを使ったタンパク質を多く含む料理。

・副菜(1食に2品以上):野菜、海藻、キノコ類などを使った、ビタミン・ミネラル・食物繊維を多く含む料理。

妊活中のカロリーバランス

妊活中のカロリーバランス

日本人女性は、ダイエットを気にするあまりカロリー不足になっている可能性があります。太り過ぎも痩せ過ぎも、不妊の原因である生理不順や排卵障害を引き起こす可能性があるので、食事のカロリーバランスにも注意を払いましょう。

1日に必要なカロリーは成人女性で平均約2,000キロカロリーです(厳密には、年齢、身長、体重、運動量などによって少し前後します)。妊活中も、このカロリーをキープできる食事を心がけてください。

妊娠すると赤ちゃんの発育に必要なエネルギーも加わるので、妊活中よりもカロリーを多く摂取する必要があります。個人差はありますが、以下の表を参考にしましょう。また、食べる量が増える分、塩分の取りすぎには気をつけてくださいね。

エネルギー(kcal/日) 推定エネルギー必要量
妊娠初期(〜13週) +50キロカロリー
妊娠中期(14〜27週) +250キロカロリー
妊娠後期(28週〜) +450キロカロリー

妊活中の女性が積極的に摂るべき食べ物

妊活中の女性が積極的に摂るべき食べ物「葉酸」「鉄」「カルシウム」

バランスの良い食事を基本にしつつ、妊活中の女性は特に「葉酸」「鉄」「カルシウム」などの栄養素が多く含まれた食べ物を積極的に摂る必要があります。

葉酸:赤ちゃんの脳の成長に必要な栄養素

葉酸:赤ちゃんの脳の成長に必要な栄養素

妊活中、特に必要な栄養素はビタミンB群の1種である葉酸です。

葉酸は、胎児の脳や脊髄(せきずい)の発達に必要な栄養素で、妊娠前後の女性は特に多く必要になります。十分な量の葉酸を摂っていないと、赤ちゃんの脳の発達異常である神経管閉鎖障害といった病気のリスクを上げてしまう可能性があります。

赤ちゃんの脳や神経系は、妊娠初期(妊娠6週目くらいまで)に作られます。通常、妊娠6週目くらいでようやく妊娠に気付くことがほとんど。そのため、妊娠が分かる前の妊活中から葉酸をたくさん摂取することが大切なのです。

葉酸は、ほうれん草、モロヘイヤなど緑色の葉野菜、アスパラガス、ブロッコリー、枝豆、レバーなどに多く含まれます。世界では葉酸が小麦粉に添加されている国も多いのですが、日本人は積極的に食べなければ葉酸不足となってしまいます。妊活をはじめたら、意識して食べるようにしましょう。

妊活中の女性は、1日400μgの葉酸を摂取することが望ましいとされています。400μgの葉酸を食べ物に換算すると、生キャベツなら1/2個、ほうれん草のお浸しなら4皿分になります。

そのため、必要な量の葉酸を普段の食事の中だけで摂取するのはなかなか難しく、厚生労働省もサプリで葉酸を摂取することを勧めています。産婦人科や不妊クリニックなどで、葉酸サプリについて相談してみるのも良いでしょう。

鉄:妊娠に大切な子宮環境を整えたり、赤ちゃんに酸素を運ぶ

鉄:妊娠に大切な子宮環境を整えたり、赤ちゃんに酸素を運ぶ

鉄は、子宮内膜をつくる材料になります。受精卵が子宮に着床して妊娠する環境を整えるのに必要な栄養素なため、妊活中の女性には欠かせません。

さらに妊娠した後も、鉄は赤ちゃんに酸素を運ぶための赤血球をつくります。そのため妊娠中は赤ちゃんの分も含め、通常の2倍の鉄が必要とされています。しかし実際は、多くの日本人女性には鉄が不足しており、妊活中・妊娠中にかかわらず意識的に摂取する必要があります。

鉄を多く含む食品には、貝類、レバー、豆類、ナッツ類、海藻類などがあげられます。またビタミンCや良質なタンパク質は、鉄の吸収率をアップさせるため、一緒に食べることを心がけると良いでしょう。

カルシウム:妊活中のメンタルを整える

カルシウム:妊活中のメンタルを整える

カルシウムも鉄と同様、日本人女性全体に不足しがちな栄養素です。カルシウムは赤ちゃんの骨や歯の形成に必要なことはもちろん、カルシウム不足はイライラの原因になったりとメンタル面にも影響を及ぼします。

ストレスは妊娠にも影響を及ぼす可能性があるとも言われています。妊活中は食事バランスと同様に睡眠やメンタルを整えることも大切です。

カルシウムを多く含む食品は、乳製品、魚介類、大豆製品、ナッツ類、海藻類などです。葉酸、鉄とともに妊活を意識しはじめたら積極的に摂取するようにしましょう。

妊活中は何かとイライラしたり焦りや不安を抱えがちです。カルシウムの摂取とともに、過度なストレスを感じたら妊活カウンセリングを利用すると良いでしょう。SuguCareの妊活カウンセリングなら、通院せずにスマホからビデオ通話で専門カウンセラーに相談できるのでおすすめですよ。

オンライン妊活カウンセリング

妊娠に影響を及ぼすかも?注意したい栄養素と生活習慣

妊娠に影響を及ぼすかも?注意したい栄養素と生活習慣

その他、妊娠初期にビタミンAを摂取しすぎると、胎児の奇形が多くなるという報告があります。通常の食生活での摂取は問題ありませんが、ビタミンAが多く含まれている栄養補助食品は、妊活中には注意しましょう。

またアルコールは胎盤を通過しやすく、胎児の発育に影響を及ぼすので、妊娠前から控えることをおすすめします。

まとめ 〜バランスの良い食事で、妊活はじめよう〜

まとめ 〜バランスの良い食事で、妊活はじめよう〜

妊活をはじめたら、普段以上に食事のバランスや栄養素に気を使うようにしましょう。食生活を整えることは、体調やホルモンバランスを整えるため、妊娠を希望する女性には特に大切です。また葉酸や鉄などは、妊娠後も赤ちゃんの成長に大切な栄養素となるため、積極的に摂取することを心がけてください。

今回は、妊活中や妊娠初期の女性に必要な栄養素や食べ物について紹介しましたが、妊活中の男性におすすめの食事は「男性不妊に効果的な食べ物」の記事にまとめています。併せてチェックして、夫婦で楽しみながら妊活してみてください。

スグケア編集部 2020/04/01

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