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夫が不妊検査や不妊治療を拒否する理由|女性に理解してほしい男の気持ち

小堀善友先生

この記事の監修医師

小堀 善友先生

獨協医科大学埼玉医療センター リプロダクションセンター副センター長・准教授

日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本性機能学会専門医、日本泌尿器内視鏡学会認定医。

専門分野は男性不妊症・性機能障害・性感染症で、男性不妊症や前立腺肥大症、前立腺癌の治療及び手術に多数携わっているほか、不妊症治療への啓発等にも積極的に取り組んでいる。

妊活や不妊治療中の悩みのひとつとして、「夫婦間の温度差」を挙げられる方がいらっしゃいます。一般的に男性の方が、女性よりも不妊検査や治療を受けることに抵抗を持つ傾向があります。女性が妊活を始めたいことを男性に伝えても、協力してくれないといったケースは多いのです。

しかし、男性には男性の言い分があり、不妊検査や治療を受けたくないのには理由があります。ここでは、男性が不妊検査や治療に消極的な理由や、女性に理解してほしい気持ちについてご紹介していきます。

夫婦関係をうまく保ちながら、お互いが気持ち良く妊活に取り組むためのヒントにしてみてください。

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男性が不妊検査を受けたタイミングは?

厚生労働省の男性不妊患者へのアンケート調査によると、精液検査を受けた男性の約半数が、女性が検査を受けるよりも後に精液検査を受けていることが分かりました。

不妊検査を受けたタイミング

また同調査で、精液検査を受けたことがある男性のうち、46.5%はカップルで精液検査の結果を聞いている一方、39.1%は自分では結果を聞きに行かず、妻1人で夫の精液検査の結果を聞いたことが分かりました。

精液検査の結果はどのように聞いた?

これらの調査からも、妊活や不妊治療に対して、男性は女性よりも消極的であることが伺えます。妊活や不妊治療は、夫婦二人で取り組むことが理想ですが、女性が主導であることがほとんどなのです。

男性が不妊検査に非協力的な理由

それではなぜ、男性は妊活や不妊治療に対して協力的ではなかったり、消極的なのでしょうか。理由には個人差がありますが、考えられる理由として次のようなものが挙げられます。

子供は自然にいつか授かると思っている

いつか自然に子供が授かると思っている

男性が妊活に興味がない場合、「そんなに頑張らなくても、子供はいつか自然に授かるだろう」と考えている可能性があります。もしくは不妊の知識が少なく、「不妊症は女性の問題であり、男性の自分にはあまり関係ない」と考えているのかもしれません。

この場合、男性が自ら不妊について調べるのは難しいでしょう。とはいえ、女性から「検査を受けて」「男性に問題があるかも」と頼んでも角が立つ場合もあります。

そのような時は、「最初は二人で受診しないといけないみたい」「先生が今後の治療方針を、あなたと話したいみたい」などと言ってみてはいかがでしょう。女性からは伝えにくい男性不妊の話などは、医師から説明してもらうのも一つの手です。

婦人科やレディースクリニックの受診に抵抗がある

先述の厚生労働省のアンケート調査では、精液検査を受けた男性の約77%が、初めて精液検査を受けたのは産科または婦人科だったと回答しています。

精液検査を産科・婦人科で受けている

産科や婦人科、またはレディースクリニックと呼ばれるところは、患者のほとんどが女性であり、内装なども女性向けに作られていることが多いです。産科や婦人科に足を運ぶことはもちろん、そこで精液を採取することに抵抗を覚える男性は多いことでしょう。

そのような場合は、男性不妊外来がある大学病院や、精液検査のできる泌尿器科を受診することをおすすめします。婦人科を受診するより、男性のハードルはかなり下がるはずです。

自分に問題があると分かるのが怖い

男性不妊と分かるのが怖くて不妊検査を受けない

「不妊症は女性の問題である」と考える男性もいる一方で、その逆の理由で検査に消極的な男性もいらっしゃいます。「もしかしたら自分に不妊の原因があるのではないか」「検査して精子が無かったら受け止める自信がない」と不安に思い、不妊検査を拒んでしまうのです。

女性の場合、自分に排卵障害があると分かっても、女性としてのアイデンティティが揺らぐことはあまり無いでしょうから、男性が自分の精子の状態や勃起力に、男の価値を見出したりコンプレックスを抱くのは、あまりピンと来ないかもしれません。

男の沽券に関わるセンシティブな部分ですので難しいところですが、そのような場合は、「精子の状態は、体調やストレスなどにより変化するため、一度の検査結果が全てではないこと」「精液検査の結果が良くなくても、全く妊娠できないわけではないこと」をさりげなく伝えてみると良いでしょう。

精子が少なくても人工授精や体外受精で妊娠できたケースも多く、無精子症でも手術で妊娠できる例もあります。

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男性不妊は珍しいことではない

男性不妊は珍しいことではない

ネット上では、女性の不妊当事者が様々な情報を発信しています。そのため、不妊の女性は「不妊に悩んでいるのは自分だけではない」と思える環境があると言えるでしょう。しかし、男性の不妊当事者が情報を発信するケースは少ないため、不妊の男性は自分のことを珍しい存在だと思い込んでしまう傾向があります。

そのため、「男性不妊だと思われたくない」「男性不妊のレッテルを貼られたくない」といった理由で、なかなか医療機関を受診できません。実際に、男性が不妊検査を受けないまま時間が過ぎ、その結果女性側が高齢不妊になってしまったという例は多数あります。

しかし、不妊の約半数は男性に原因があることが分かっていますし、晩婚化が進んでいることもあり、男性不妊は決して珍しくありません

市販の簡易チェックキットもオススメ

培養士レポート付 精子簡易チェックキット「メンズホームチェッカー」

それでも病院での精液検査が不安だったり、忙しくてなかなか受診するタイミングを作れない方は、自宅でできる精子の簡易チェックキットもおすすめです。

SuguCareメンズホームチェッカー』なら、スマホで精子の動く様子を観察でき、認定資格を持った培養士からウェブレポートが届くので、自分のタイミングで精子の簡易チェックができます。

まずは自分で精子の動く様子を確認できれば、精液検査への不安も少し和らぐので、通院もしてもらいやすくなります。

まとめ お互いに歩み寄って協力する姿勢が大切 ~

妊活や不妊治療は夫婦2人で取り組むことが大切です。

男性が「妊活に協力してくれない」「不妊検査を受けてくれない」理由は様々ですが、自分ごとと捉えていなかったり婦人科受診に抵抗がある精子が少ないと診断されることへの不安などが多く挙げられます。

ネット上で不妊に関する情報を発信する女性は多くても、男性はほとんどおらず、他の男性の意見を見たり、同じ境遇の男性と励まし合ったりすることもできないのも理由のひとつかもしれません。

女性としては焦る気持ちもあると思いますが、このような事情を考慮しながら、男性の気持ちも汲み取って頂ければと思います。そして何より男性にも、不妊男性が多いことを踏まえ、検査や治療にも前向きに取り組んでみてください。

お互いにコミュニケーションをとって協力し合い、ぜひ夫婦にとって最善の選択を取れるようにしましょう。

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スグケア編集部 2019/03/19

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