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男性不妊対策①|妊活力アップのための10の習慣

小堀善友先生

この記事の監修医師

小堀 善友先生

獨協医科大学埼玉医療センター リプロダクションセンター副センター長・准教授

日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本性機能学会専門医、日本泌尿器内視鏡学会認定医。

専門分野は男性不妊症・性機能障害・性感染症で、男性不妊症や前立腺肥大症、前立腺癌の治療及び手術に多数携わっているほか、不妊症治療への啓発等にも積極的に取り組んでいる。

男性不妊は、不妊症の原因の約50%を占めるといわれています。

検査で精液初見に問題がなかったとしても、その日の体調やストレス具合によって精子の状態は大きく変化します。そのため、女性が主導になりがちの妊活ですが、男性も精子力を保つため、妊活に積極的に取り組むことが大切です。

精子の質が下がってしまう要因は、日常生活の中にたくさんあります。そのため生活習慣を少しずつ見直していくことが、男性不妊対策につながっていくのです。

それでは、妊活中の男性に実践いただきたい10の習慣をご紹介します。

その1:禁煙する

男性不妊対策1:禁煙する

タバコに含まれる有害物質は、精子のDNAに酸化ストレスを与えることで、受精しづらくしたり、受精卵の質を低下させて流産率を上昇させます。

また、精子の数や運動率の低下にも関係しているとの研究結果もあるため、禁煙することで男性不妊対策が期待できます。急に禁煙することは難しいので、無理なく本数を減らしていくようにしましょう。

その2:禁欲しすぎない

男性不妊対策2:禁欲しすぎない

「精子の質を上げるために禁欲した方が良い」と思われがちですが、実は長期間の禁欲は、精子の運動率と正常な精子の数の低下を招くことがわかっています。

どれぐらいの期間の禁欲が問題となるのかは明らかになっていませんが、3日以上が経った時点で運動していない精子の数が増えてしまうとされています。「精子を貯めた方が妊娠しやすくなる」と誤解されがちなので、注意したいところです。

その3:育毛薬に注意

だ陰性不妊対策3:育毛剤に注意

薄毛治療のAGA治療には、プロペシアという薬を使用することがあります。プロペシアは、男性ホルモンのジヒドロテストステロンの生産を抑える薬なのですが、この作用によって精液の状態が悪化する可能性があるのです。

そのため、妊活中はプロペシアを使用せず、精子に影響を及ぼさない他の薬を使用すると良いでしょう。

その4:適正体重をキープする

男性不妊対策4:適性体重をキープする

肥満は、精子の運動率の低下を招くという報告があります。

また、肥満度を表すBMIが高くなればなるほどに精液の状態が悪くなるともいわれており、特に運動率の低下に大きな影響を及ぼすという報告もあります。妊活中の男性は、適正体重をキープすることを普段以上に心がけましょう。

その5:バランスの良い食事をとる

男性不妊対策5:バランスの良い食事

バランスの良い食事は、男女ともに不妊対策には欠かせません。

特に、糖質や脂質、タンパク質の他、加工品に含まれる成分、アルコール類の過剰摂取は精子の質の低下を招くといわれています。肉や魚、野菜をしっかり食べるようにして、ごはんやパン、パスタ、うどんなどの炭水化物を食べすぎないようにしましょう。

その6:しっかり睡眠をとる

男性不妊対策6:良質な睡眠

睡眠不足は、精子に酸化ストレスを与えてDNA構造を損傷させてしまいます。

忙しい日々を過ごしている方は、十分な睡眠をとることが難しい場合があります。少しでも長く良質な睡眠をとるために、夜更かしは避けるようにしましょう。

その7:お酒の飲み過ぎに注意

男性不妊対策7:お酒の飲み過ぎ注意

アルコールの過剰摂取は精子の質を低下させる可能性があります。

飲酒が日課になっており、ストレスが溜まったときについ飲みすぎてしまう方は注意が必要です。また、お酒を飲まないと眠れない方はアルコール依存症が心配になるので、眠れない原因を解消することが大切です。

その8:股間を温めすぎない

男性不妊対策8:サウナや長風呂注意

実は、精子は熱に弱いことが分かっています。そのため、股間(特に精子が入っているタマの部分)を温め過ぎると、精子の質が低下する可能性があるのです。

例えば、長時間熱いお風呂やサウナに入ったり、ひざの上にノートパソコンをのせたりするのも、注意が必要です。また、股間を締め付けやすいブリーフよりも、通気性がいいトランクスをはくことをオススメします。

その9:自転車に長時間乗らない

男性不妊対策9:自転車に長時間乗らない

お風呂やサウナと同様、長時間自転車に乗っていると股間が圧迫され、精巣の温度が上がったり血流が低下してしまうことがあります。その結果、精子の質が悪くなる可能性があるのです。

電車で通勤する距離なのに、運動のために自転車で通勤しているような方は注意しましょう。

その10:精神的ストレスの軽減

男性不妊対策10:ストレスを溜めない

精神的なストレスも精子の質の低下を招くといわれています。

精神的なストレスは、仕事や家事、人間関係など様々なことが原因で溜まります。できるだけストレスを受けないようにするとともに、こまめにストレスを解消させることが大切です。

ストレス解消方法は「ストレスが不妊の原因に!? 妊活中のストレス対策方法」の記事を参考にしてください。

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まとめ ~ 小さな生活習慣の改善から、男性妊活を始めよう ~

男性不妊対策10箇条

今回ご紹介した男性不妊対策の習慣を、全てすぐに実践することは難しいかもしれません。まずは、できることから無理なく始めてみてください。男性も積極的に妊活に取り組むことで、女性のストレスが軽減し、夫婦間も良好に保てることでしょう。

また、病気が原因で精子の質や数、運動率などが著しく低下しているケースでは、上記の生活習慣を続けても自然妊娠は難しい可能性もあります。妊活を始める際は、夫婦揃ってあらかじめ不妊検査を受けておき、自然妊娠が可能であることが分かった上で、男性不妊対策の習慣を取り入れていくのが、より効率的です。

長時間のお風呂や自転車が精子の質を下げてしまう可能性があることは意外だったかもしれませんが、その他はどれも基本的な生活習慣です。喫煙や過度な飲酒などは避け、健康的な生活を心がけましょう

スグケア編集部 2019/05/22

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