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不妊症とは?|5.5組に1組の夫婦が不妊に悩む時代

小堀善友先生

この記事の監修医師

小堀 善友先生

獨協医科大学埼玉医療センター リプロダクションセンター副センター長・准教授

日本泌尿器科学会専門医・指導医、日本性機能学会専門医、日本泌尿器内視鏡学会認定医。

専門分野は男性不妊症・性機能障害・性感染症で、男性不妊症や前立腺肥大症、前立腺癌の治療及び手術に多数携わっているほか、不妊症治療への啓発等にも積極的に取り組んでいる。

晩婚化が進んでいる現代日本において、赤ちゃんを望むのになかなか妊娠できない不妊症」の夫婦が増えています。少子化でもある日本では、これは大きな社会問題です。

「赤ちゃんは自然に授かるもの」と思っていたのに、なかなか妊娠せずに焦りを覚えている方も多いのではないでしょうか。

将来、妊娠を望むのであれば、まずは不妊について正しい知識を身につけ、夫婦でしっかりと話し合うことが大切です。そこで今回は、「そもそも不妊症とは何か」「不妊症の夫婦が増えている理由」について解説していきます。

不妊症とは?不妊症の定義

不妊症とは、「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないこと」を指します。

日本産婦人科学会は、この一定期間を「1年」と定めており、1年以上自然妊娠しない場合は医療機関等で不妊検査をすることをすすめています。

ただし、男性も女性も年を重ねるとともに、妊孕性(赤ちゃんを作る力)が低下することから、35歳以上の場合は、6カ月の不妊期間が認められた段階で検査することが推奨されています。

また、女性側に月経不順などがあったり、男性側も糖尿病やおたふく風邪など不妊のリスク因子となる病歴がある場合は、1年を条件とせず早めに病院で不妊検査をするようにしましょう。

つまり不妊症とは、特定の疾患や病気ではなく、自然妊娠がしづらい状態を指します。そのため、誰もが不妊症になりうるのです。

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不妊に悩む夫婦は5.5組に1組で、増加傾向

国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦は18.2%にのぼります。これは夫婦全体の5.5組に1組に当たり、年々増加傾向にあります。

さらに、過去に不妊を疑ったり心配したりした経験がある夫婦の割合は35.0%と、全体の3割を超えています。

5.5組に1組の夫婦が不妊症に悩んでいる

この数字は、現代日本において「不妊症」がひとつの社会問題であるとともに、「不妊症」自体がもはや珍しいものではなくなっていることを表しています。

妊活や不妊の悩みは人に話しづらいこともあり、「なぜ自分たちだけが?」と思い悩みがち。むしろ、現代社会では不妊は珍しい症状ではないため、自分たちで抱え込まず、不安に思ったら早めに専門機関に相談してください。

適切な治療法が早めに分かれば妊娠できる可能性も上がりますし、専門家に相談することで不安も軽くなるはずです。

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なぜ不妊症が増えているの?その社会背景

それではなぜ、不妊に悩む人が増えているのでしょうか?その背景には社会的な要因も関係しています。

不妊症が増えている主な要因はのひとつとして、晩婚化による出産の高齢化が考えられます。

晩婚化による出産の高齢化

不妊の主な要因は、加齢です。

女性の卵子も男性の精子も、年齢とともに数が減っていき、自然妊娠がしづらくなります。

女性の年齢による妊孕力の変化

近年、日本では女性の社会進出やライフスタイルの変化などにより、晩婚化や高齢出産が進んでいます。つまり、結婚する年齢や赤ちゃんを授かろうとする年齢が高くなっているため、不妊症も増えているのです。

結婚年齢が上がっていても、妊娠しやすい年齢というのは決まっています。

とはいえ、「結婚した後も働きたい」と考える女性も多いですし、これは大変素晴らしいことです。ですから、早いうちに妊娠や不妊の知識を得て、夫婦でライフプラン(仕事・妊娠・出産など)について話し合うことが重要です。

ライフスタイルの変化による精子の減少

自然妊娠には、男性の精子に含まれる精子の数(濃度)も大きく関係しています。

海外のある研究では、欧米人男性の精液中の精子濃度が、1973年から2011年までの約40年間で52.4%も減少していることがわかりました。

男性の精子が減る要因として、睡眠不足、運動不足、肥満、喫煙、暴飲暴食などのライフスタイルの悪化が影響しているといわれています。

不妊症にならないためにも、日々の生活週間に気をつける必要があります。

18人に1人の赤ちゃんが体外受精で生まれている

このように、晩婚化やライフスタイルの変化により、現代の夫婦は「社会的要因による不妊」にさらされやすい環境にいるといえます。実際に、5.5組に1組の夫婦が、何らかの不妊検査や治療を受けた経験を持っているのですから。

厚生労働省によると、2016年に体外受精などの生殖補助医療によって生まれた赤ちゃんは54,110人で、これはすべての赤ちゃんの18人に1人に該当します。クラスに1~2人は体外受精で生まれた子供がいるイメージですね。

18人に1人の赤ちゃん体外受精で生まれている

妊娠は自然に任せたいと考える人も多く、不妊治療(特に人工授精や体外受精)に抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。

しかし今は、不妊治療で毎年数万人の赤ちゃんが生まれている時代。それに、どんな方法で授かっても生まれてくるお子さんはかけがえのない存在であることは変わりません。悩なかなか妊娠しないと悩まれている方は、不妊治療も有力な選択肢のひとつとして、病院受診も検討して頂けたらと思います。

まとめ ~不妊治療は珍しくない時代〜

女性の社会進出や晩婚化、ライフスタイルの変化により、現代ではどんな夫婦も不妊症になるリスクを持っていると言えます。妊娠や不妊について正しい知識を身につけ、不安を感じたら早めに夫婦で医療機関に相談することが大切です。

不妊で病院を受診するのは、最初はためらってしまう方も多いですが、健康診断のつもりでまずは不妊検査を受けてみると良いでしょう。

それでも検査に踏み切れない・・・という方は、まずは専門カウンセラーに相談してみると良いでしょう。

スグケアでは、スキマ時間で自宅から利用できる「オンライン妊活カウンセリング」をご用意しています。心の専門家である臨床心理士や、不妊治療の知識が豊富な生殖医療相談士に、あなたの妊活や不妊治療に対する不安・悩みをご相談ください。

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スグケア編集部 2019/02/19

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